Profile of |FUJI ROCK FESTIVAL|
GOLDIE~オールナイトフジ~
2014年7月25日(金) @ FUJI ROCK FESTIVAL ’14
実はフジロック出演は98年の東京開催以来16年ぶりというGOLDIEがフジロックの夜遊びイベントオールナイトフジに登場!はじめラインナップにアナウンスされた際に一体どこでどの時間帯のステージに組み込まれるのか物凄く気になった人も多かったのではないだろうか。このGOLDIEの出演が決まってフジに参戦する事を決めた人も少なく無かったはず。それだけ一見の価値のあるDJとして90年代初頭から世界中のフェスやクラブで名を馳せているドラムンベース界のレジェンドなのです。
オールナイトフジといえば、メインゲートから遥か遠いORANGE COURTで開かれる朝までのパーティー。それと平行して行われているのが屋内のRED MARQUEEで開催されているPLANET GROOVEなのわけですが、テントエリアやホテルで過ごしてる人々にとって、一度宿に戻ってまた出直すのは結構一苦労。初日の夜でまだまだ元気があっても、夜遊びをするならREDでっていう人も少なくは無いのではないでしょうか?
しかし、昼のあの雰囲気とは打って変わって、アンダーグラウンドな臭いがプンプンしたORANGE COURTで行われているオールナイトフジを、もしまだ体験した事が無い人がいるのであれば、是非一度騙されたと思って覗きに行って頂きたい。メインゲートからGREEN STAGEを左手に見て歩き、そのままWHITE STAGEの方面へと続く人の少ない砂利路のデコレーションは、昼のそれとは違って独特な空気感で幻想的だし、そのままBoard Walkへ流れ込めば、木道亭の照明と木々に散りばめられた無数の揺れる光が徒歩の疲れをもすっかりと忘れさせてくれる上に、前方の方から徐々に聴こえてくる低音が大きくなればなる程気持ちはどんどん高まり、あっという間にORANGE COURTに到着。男性の歩数にして2140歩(実際計りました。。)時間にして21分。思ったより全然遠くない!そんな2140歩をブツブツ数えながら木々に囲まれた長いトンネルを抜けた先に見えたORANGE COURTに到着した頃にはBOREDOMSのDJ EY∃の音が薄暗い会場の中で土臭く開放されていて、長い夜の音の始まりを知るのであります。あの到着した瞬間を味わうだけでも行く価値はあると思う。
しかしここは本当に自由な空間。結構一人で遊びに来る人も多いのではないでしょうか?BPM175位のテンポでややアグレッシブに攻めてくるGOLDIEの音に身を委ねて踊る人、端っこの草むらの方で寝そべってなんとなく音を聴いている人、もはや寝ている人だって少なくはない。なんていうかRED MARQUEEのPLANET GROOVEが都会のCLUB EVENTであるとしたらこのオールナイトフジは山の中でひっそり開催されているRAVEに近いのかな。既にこのフジロックフェス自体が都会から少し離れた開放的な空間であるのだから、ここの空気感は更にドープで濃縮されていて非日常的な感覚を味わう事が出来るのも夜な夜な人々が集まってくる理由だと思う。
そんな雰囲気の中、さすがは黄金に輝くドラムンベースの王様。ジワジワと攻めてくる低音と軽快な高音とが見事にマッチしたドラムンベースを基調にした彼独自の音は、この夜の雰囲気にぴったりだったと思う。ここの雰囲気が彼の音とマッチしていたのか、彼がここの雰囲気に合わせて音を作っているのかどうかは正直どちらでも構わないのですが、きっと彼がREDで今夜プレイしたとしてもそれはそれで完全にマッチしているのだと思うから、それがフェスでメインを飾れるDJの才能と経験値と説得力のあるカリスマ性なのだと思いました。最後はニルバーナのREMIXカバーも披露してきっちり夜のお勤めを終え次のDJ KEN ISHIへと繋いだGOLDIE。もう時間は3時半を過ぎていて寝てる人も気がついたら増え始め、ただこんな贅沢な環境で寝れるなんて最高ですよね。帰り道にすれ違ったBoard Walkの人々にとってはまだまだ眠らない夜が続くのでしょう。
photo by kenji nishida