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西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー

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西田 優太(海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020)× 佐野 碧(HIKARI SONG GIFT)インタビュー

災害支援とアクティブマインドという共通項。起こった悲劇を受け止めながらも楽しむ姿勢と、もたらす出会いをパワーに変え先導する牽引者。東日本大震災以降活動を行うボランティア団体『海旅団』、そして野外フェス『RAINBOW CHILD 2020』を主宰する西田 優太氏と、仙台出身のシンガーソングライターでネパール大震災以降、現地にソーラーランタンと音楽を届けるプロジェクト『HIKARI SONG GIFT』を主宰する佐野 碧氏。やった者、動いた者にしか知りえない事はどの分野にも往々に存在し、それを継続する事、さらにその先にある平和を思い浮かべながら確固たる意志を持って動く2人のスペシャル対談です。


海旅Camp / RAINBOW CHILD 2020

海旅Camp / RAINBOW CHILD 2020

2011年3月11日の東日本大震災で起きた原発事故の影響でたくさんの放射性物質が振りまかれ、現在も東北や関東を中心に放射能に不安を抱きながらたくさんの人たちが暮らしています。『海旅Camp』は、東日本大震災以降各地で災害ボランティア活動を続ける『海旅団』が行う【保養】という活動です。原子力発電所の事故後に放射能を気にする親子様を招き岐阜県八百津町にて年に1度開催。これまでの6年間で合計約230名の方を保養に招いてきた。そして今年2018年も8月に約40名の親子を招き、保養キャンプを実施する。ゆたかな自然の中でのびのび遊び、健康に配慮したごはんをみなで作って食べる保養という取り組みは、日々の緊張をときほぐし、身体も心も元気にします。保養を文化に、おとなもこどもになる保養というテーマを掲げ、子どもたちが自然の中で遊ぶ姿、笑顔を守っていきます。

また、『RAINBOW CHILD 2020』 はこの海旅団(海旅Camp)から生まれたフェスティバルです。フェスティバルの収益で、保養活動や災害支援などのボランティア活動を行ないたいという想いから開催され、様々なアーティストのライブや、マリンスポーツやアート・ワークショップなども行われる親子で楽しめる野外フェスティバルです。当日は海旅Campに参加している親子、地元の方々はもちろん、全国各地から岐阜県八百津町に人が集まります。第5回目となる今年は、2018年8月12日(日)蘇水公園(岐阜県八百津町)で開催が決定しています。

RAINBOW CHILD 2020 Web site
http://www.rainbowchild2020.com/


HIKARI SONG GIFT

HIKARI SONG GIFT

プロ野球戦での国歌斉唱や、Jリーグ国際貢献テーマソングなども手掛ける、仙台出身のシンガーソングライター、佐野碧(サノアオイ)が中心となり、2015年に起こったネパール大地震を発端にはじまったプロジェクト。電力不足が深刻な問題となっているネパールへソーラー式ランタンと音楽を届けている。2016年、世界遺産バクタプルで行われた第一回目には5000人以上を動員し、その様子は海外メディアでも大々的に取り上げられた。 翌2017年は、スラム街にてストリートライブなども随所で行い、第三回目となった今年は2018年4月に山岳地帯のチェパン村という電気のない小さな村の小学校で、星空を観ながらの授業なども行う中で、現地の人達と共にイベントを作り上げた。

佐野 碧 Official Web site
http://佐野碧.com/



西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) Interview

西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー

—– まず、お互い初対面という事でそれぞれ印象として何か感じることってありますか?

西田 : 僕は写真を見て綺麗な方だなと思っていたので、今日はお会いできて嬉しいです(笑)

佐野 : ありがとうございます。私は事前に活動内容の資料を拝見させていただいて、私自身も放射能に関しては実際すごい気にしていたし、あの時は色々な新聞を比較してメディアにもすごい不信感を持っていたし、日本はどうなっちゃうんだろうって思っていたから、放射能に対して何かをしたいとは思っていたけど実際には動けなかった。それは今でも目に見えないけど、飽和していると思うし、私は東北出身だけど、こういう活動をしてくれている人がいるって知ったのは嬉しいというか、もっと色々話を聞きたいなって思いました。それと、一番近い目の前にいた親子の為にイベントをしたっていうのがすごい素敵だなって思いました。

西田 : 僕は震災(東日本大震災)が起きて五日目に物資を届けに石巻に入ったんですね。それから岩手の陸前高田に行って半年くらい瓦礫撤去とかの支援を仲間達としました。その後、だいぶ落ち着いてきて、福島へ行って「放射能っていうのはどんなもんじゃい?」って思ってガイガーカウンターを買って福島に行ったんですけど、やっぱり数値がすごかったんですよ。これは本当にヤバイんじゃないかと思って、そこからまずはそこの人達と飲まないと分からないじゃないですか? という事で、いわき市で何軒か飲みながらお母さん達の話しを聞いて、「なんかできる事はないのかな?」っていう事でそこからですね。その時って震災が起きてすぐだったので、子供を外で遊ばせてないという方もいたんです。それで外で遊べないって嫌だよなって思ったのがきっかけですね。それでこっちに呼んで、遊ばせてというのをやって行くと色々な事が分かってきましたね。

佐野 : 実際に来てる人達は楽しそうでしたか?

西田 : 来てる人達は楽しいでしょうね。僕は大変ですけどね(笑)。 でも、あの子たちにとっては凄い刺激になると思います。もちろん親と一緒に来ているんですけど、その一週間の中でも子供同士の世界があるんですよね。お互い舐められちゃいけないみたいなのがあって「おかんはちょっとあっちに行っとけ」って感じで、だからお母さんとかとも話しをするんですけど、その一週間ですごい逞しくなったって言ってますね。それでお母さん同士も放射能とか不安に感じている事を一人で抱え込まずにシェアできる友達ができるのですごい良いと思いますね。

佐野 : そういうきっかけがあって、自分達でコミュニティとかを作れたら良いですよね。私は東北の震災の時にレンタカーを借りて、次の日仙台に向かおうと思ったら、迷惑だって親に断られたんですよ。せっかく物資とかが来ている時に何も知らない人が来ても渋滞が起こるだけだって。それで支援ってしちゃいけないんだってちょっと思っちゃったんですよね。

西田 : でもそういう空気はありましたね。僕もすぐに行こうとして周りに止められて、それで五日目になっちゃったんですけど。

佐野 : だからその無念みたいなのがずっとあったんですよね。

西田 : それは僕もありますね。僕らが五日目にまだ避難所もできていない中で、人が集まっている所に物資を届けたんですけど、何か所か周ってその時に初めて物資が届くって場所がいくつかあったんです。だからもうちょっと早く動けば良かったなっていうのはありますね。

佐野 : 他のボランティアチームとか、支援のネットワークはどうなっていたんですか?

西田 : 最初は全然、311の時は市民レベルでそんなのは無かったですね。でもそれがきっかけで、そこから支援団体みたいなのがちゃんとできて、それこそ熊本の時とかは、仲の良いボランティア団体とかもあるので、お互い連絡を取り合って動く事ができましたね。

—– 今はそういう団体同士が普段から連絡を取り合ったりしているんですか?

西田 : いや、何かあったときだけですね。熊本で地震があった時は、先に現地に向うボランティア団体の方達から、現地で不足している物や現地の状況を知らせてもらって、それを持って行ったり、炊き出しが必要なら炊出しチームが作って行ったりって感じで動きましたね。実際、行政じゃできない事ってあると思うんですよね。だからそこは市民団体がカバーして行ければ、そういう風に動けるようになったのは 311がきっかけだし、それは凄いことだと思います。

佐野 : 自分はあの時動けなくて、その後ラジオとかで現地の人の声を発するっていうのをずっとやっていたんですけど、それでも全然何かをやっている感じがしていなくて、実際なんで動けたんですか? 不安とかはなかったんですか?

西田 : 不安はもちろんありましたよ。でも僕は以前にお金を持たずに一か月くらいお遍路さんを歩くこともできたし、だからそんなに別に、なんかあっても「俺、生きれるしなぁ」って思いましたね。確かに周りから行く事を止められてはいたんですけど、よくよく考えたら、止めてるお前等よりも気合入ってるから大丈夫でしょって(笑)

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—– 佐野さんはそういう想いもあって、2015年にネパールで震災があった時はすぐに動かれたんですよね。海外ならではの難しい部分も色々あったんじゃないですか?

佐野 : 母親がネパールに住んでいたので、この時はすぐに会いに行こうと思いましたね。ネパールでは最初、オープンジャパンというボランティア団体の方が来ていて、そういうプロの方がいるんだったら私は迷惑じゃないなと思ってその方に色々教えてもらって支援を始めたんですけど、例えばトイレを作るときには現地のクギを使うんだよとか、あまり外国の物を使ってしまうと壊れたときに修理ができないとか、そういう事を教わって始めたんですけど、HIKARI SONG GIFTの第一回目はバクタプルっていう世界遺産で、ソーラーランタンを全部で295個持って行って、それを行政の方に連絡して渡すことになったんですけど、その時にちょっとした暴動が起きてしまったんです。それは貰っていない人がうまれるからなんですけど、これはやってしまったなって思いましたね。

西田 : 海外の支援は難しいですよね。僕らとは文化が違いますもんね。

佐野 : それで反省して、それ以降はちゃんと場所を決めて考えて渡すようにしましたね。その時は支援をしに来たのに本当に迷惑をかけてしまったって思いました。

—– それはバランスをとるのと、どこかを重点的にサポートするの、どっちが良いのかっていう問題でもありますよね。

西田 : 例えば日本だと、避難所に100人避難していて、毛布が99枚しかなかったら行政は配らないですよ。でもそこをフォローできるのが市民団体だったりするので、そこはそれぞれの動き方で学びつつやれば良いんじゃないですかね。

それで、ネパールの場合は、やっぱりそのソーラーのランタンを持って行くと喜んでくれるんですか?

佐野 : すごい喜んでくれますね。ネパールの場合は元々頻繁に停電とかもあって、それにさらに地震が来て、あまり復興しているように感じない部分もあるんですけど、みんな逞しいですよね。

西田 : その人達はそのソーラーランタンの存在を元々知ってはいたんですかね? それとも全く知らずに「うわぁ、何これ?」って感じだったんですか?

佐野 : カトマンズの場合はインドでそういうのが発売されているので、知っている方もいたと思います。ただインドとか中国とかのはすぐに壊れてしまうみたいです。それで今回行ったチェパン村の場合はおそらく知らないので、本当に「何これ?」って感じだったんじゃないかなって思います。

西田 : ソーラーの電気は良いですよね。ずっと使えるんで。

佐野 : そうですね。でも保障の期間として大体2年位みたいですね。だから依存しないように「良かったら使ってね」って位、軽く渡すようにしています。

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—– 活動の中で、情報過多になる部分と情報不足になる部分が両極端に色々あると思うのですが、今現在はどういった情報をどういう風に得るようにしていますか?

西田 : 僕はどんどんそういう情報を取らなくなって来ていますね。どれが正しいとかも分からないし、普段はバーテンダーをやっているので、偏らずフラットじゃないといけないと思っているので、なるべくそういうのを心掛けていますね。

佐野 : なんでバーテンダーは偏っちゃいけないんですか?

西田 : 例えば宗教でいうと、あるひとつの宗教に僕が染まってしまったら、また別の宗教の人は来なくなってしまうと思うんですよ。だから色々な人を受け入れるじゃないですけど、その人に併せていけたらって思っています。

—– そこはアーティストとは違うその職種ならではの部分なんですかね。

西田 : 確かにそうですね。アーティストはもう自分のメッセージをいかに発するかって感じですもんね。

—– お店はそんなに色々な人が来るんですか?

西田 : 相当色々な人が来ますよ(笑)。 例えば、犯罪を犯している方とかも来ることもあったりしますけど、

佐野 : (笑)それは普通に話して大丈夫なやつなんですか?

西田 : まあ(笑)。そういう人がいる時に、警察のお客さんも来たりするんですよ。だからあまり情報過多になり過ぎないように心掛けています。あと今、福島から親子を受けいれてやっているじゃないですか。うちのお客さんでも「そんな事するな」「そんな甘えさせるな」っていう人もいるんですよ。でも意外とそういう人がちょっと募金をしてくれたりするんですよね。

—– 言葉って便利だけど、それだけじゃ分からない事もいっぱいあるってことですね。それも色々活動しているからこそ起こるドラマというかひとつの成果ですよね。何か他に活動しているからこそ気付く発見や成果ってありますか?

佐野 : 私の最近の発見は、もちろんみんなの笑顔が見たいっていう前提があって、ネパールにとってどうのっていうよりは、自分にとってなんですけど、これまでは「みんな違ってみんないい」ってことでやってきたんですけど、

西田 : 金子みすずですね。僕、山口県出身で地元が一緒なんでよく知ってます。

佐野 :そうなんですね! それでずっとそういう風に思ってやっていたんですけど、最近はその先にそれぞれの意志が必要だと思うようになりました。今があるのも本当に先人たちが作ってくれた部分が大きくて「男女不平等だ」って言ってくれた人がいるから今女性が働けていたり、その時に今どう思っているかっていうのを100%提示する人がいて、今があるなって思うんですよね。

支援活動をしていると文化も違うし何か違うなって思う事もあったんですけど、これからは自分がネパールに光を持っていく事で絶対みんなが笑顔になるんだっていう意志を持つことで教えられることもたくさんあると思うし、その支援活動を通して仙台でライブをするときなんかも、みんな自分たちの現状も話してくれるし、それは支援っていう看板を持っているからこそできる話しがあるっていうか、たぶんそれがなかったらこんなに話しをしてもらえないだろうなっていうのはありますね。だから自分にとってになっちゃいますけど、本当にたくさんの発見がありますね。

西田 : そうですね。やらないと分からない事ばっかりだし、誰かがやらないとその想いは残らないと思うし、だから誰かが想ったりやったりしたから今の僕らがあるんですよね。今日本が平和なのは、戦争を経験した人達が、戦争はもう嫌だって思って平和を願ってくれたのが形になっているのが今だと思うんですよ。だから僕らが今やらなけきゃいけない事は、それこそ世界平和を願う事だったり、その為に何かをする事だと思う。それがまた次の世代に伝わっていくものだと思うんですよね。だから僕らがやっているフェスのテーマは「世界平和」なんです。

あと、海旅Campっていう保養を実際にやっていて良いなって思うのは、子供たちが変わって行くんですよね。毎年来てくれている子もいて、小学生だった子が高校生になって、そいつらが結構逞しくなっているんですよね。だからそうやって次の世代の人達が僕らみたいな意志に触れてそれで化学反応が起きていってくれるのが良いですよね。だから誰かが何かをしなくてはいけないとは思っています。

—– 海旅Campでは実際どういったことをするんですか?

西田 : 海旅Campはとにかく自由です。実際は子供に とっては夏休みなので、うちはあえてスケジュールを決めずに自由にそれぞれがしたい事をする。その中でここだけは『味噌作り』をするとか、でも別にそれも 強制参加ではないです。僕は絶対やらないんで(笑)。あと、ここ2,3年は僕自身がマリンスポーツが好きなので、そういうマリンスポーツを体験をさせた り、やっぱり水と触れ合うって大事だと思うんですよね。水って恐いものでもあるから。

やりたくない事はやらなくても良いんですけど、子供が僕らのようなヤンチャな大人に会って一週間だけど一緒に暮らすことなんてなかなか無いので、そ れは刺激になるんだなって思いますね。僕は子供達に理不尽な大人もいるんだぞって事を教えているんです。海旅Campのルールで「みんな食べた食器は自分で洗う」っていうのがあるんですけど、僕はしないっていう。「おい、お前洗っとけ」って(笑)

—– まあ社会に出たら理不尽なことばっかりですからね(笑)

西田 : みんなは良い人ばっかりなんですけど、僕だけが悪者なんです(笑)男の子には厳しく、女の子にはメッチャ優しいんですけどね。

西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー

—– その中で現状大変だと思う部分はどういった事になりますか?

西田 : 大変なことはいっぱいありますけど、でもそんな大変じゃないかなー。結局何かやろうと思うと何か問題は起こるんですけど、それは金銭だったり人だっり色々障害はあるとは思うんですけど、まあこういう性格だからか、大変な事はあるって分かっていてそれを一個一個乗り越えるのが好きなんですよね。

—– 海旅Campの資金を捻出するためにはじめた『RAINBOW CHILD 2020』も実際は毎年赤字が続いている訳ですが、それでも続けるのはイベント自体にお金とは違う意義を見出していると思って良いのでしょうか?

西田 : そうですね。やればやるほど色々な事が見えてきていますね。

—– 「お金がない」って言いながら、自腹で花火上げたりするのとかちょっとぶっ飛んでますよね(笑)

佐野 : 花火!? すごいですねー(笑)

西田 : 確かにおかしいですよね(笑)。 でもなんか思ったらやりたくなっちゃうんですよね。

—– それで苦しくなっている部分はあるかもしれないけど、面白くなっている部分もあるから全然ありだとは思いますよ。

西田 : ちょっとやりたいと思った事をやらなかったら、後で「あぁ、やっとけば良かったー」ってなるじゃないですか? そういうのを止める教育を受けて来なかったんですよね(笑)

逆に佐野さんは大変なことってありますか? そりゃありますよね?

佐野 : ランタンの支援金を募っているころ、最初は楽しかったのですが、毎回支援金のお願いをしていると、だんだんランタン売りの少女みたいになってきて、本当はCDを聴いて欲しいんだけどなっていう精神的につらい時はありました。でもそれを自分の背景にもってくればテーマと歌もリンクしているんでそれで良いんだって思うようになって、考え方次第で楽しくなりますよね。それを乗り越えて成長できる糧にはなりましたね。

—– 金銭的な部分でHIKARI SONG GIFTで実際にかかる費用ってどういった部分ですか?

佐野 : 渡航費とか現地でバスをチャーターしたり、あとはステージの機材、それに荷物を運んでくれるポーターとかの人件費ですね。色々かかる部分はあるんですけど、それも現地にお金を循環させるっていう点では良いのかなって思っています。

—– その辺りの資金は現状どういう風に捻出しているんですか?

佐野 : 1年を通して、毎回ライブのときに募金箱を設置、ご協力を募っています。それから、クラウドファンディングを使用して資金を集めています。今回は少数民族の住む、チェパン村という山の奥地にある場所だったので、持っていく荷物の量もだいたい決まっていて、費用は抑えられました。

あとはお金をかけなくてもできる事って色々あるので、工夫して自分もやっぱり楽しくやりたいから、今まではランタンを配る事をメインでずっとやっていたんですけど、今回行ったそのチェパン村は星がすごい綺麗なところだったので、双眼鏡を買って持って行きました。それで子供たちと普段みている星を見ることで、一緒に感動して、自分達の村の星ってこんなに綺麗なんだよって事を知ってもらえたらと思って、今回はランタンを配るという事だけじゃなくて、そういう事も行いました。それは子供達にとってもすごく良かったと思うし、自分のさじ加減なんですけどランタン配るという事をメインにし過ぎないで、他にも色々できることをやる事で、自分自身もさらに楽しくなって、うまくいくっていうのが分かってきましたね。

西田 : 自分が楽しいっていうのは一番大事ですよね。自分が楽しんでいると人も寄ってくるし、僕もそこは結構気を付けていますね。一番自分がわくわく楽しくしようと。

佐野 : それに最近やっと気づきましたね。

西田 : そうじゃないと出会いとかも寄ってこないですよね。

西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー

—– 出会いは本当に大事ですよね。それぞれ周りには色々スペシャルなスタッフもいるんですか?

西田 : うちは色々なスタッフがいますね。出会いはみんな本当にたまたまなんですけどね。

佐野 : たまたまって凄いですよね。

西田 : RAINBOW CHILD 2020の音響をまとめてくれている奴なんかも居酒屋で知り合いましたからね。それもたまたまです。

でも僕は元々は全部自分でやりたいタイプなんです。長くは続かないんですけどね(笑)
RAINBOW CHILD 2020でも映像とかは最初誰もやる人がいなかったんで自分でやっていたんですけど、まあそういうのをやり始めたりするのが好きなんですよね。お蔭で映像はちょっといじれるようになったんですけど、そういう風にやっていると、ちょうど良いタイミングでもっと映像に詳しい奴に出会ったりするんですよね。今は色々なことがそういった中でお願いしてやってもらうようになっていっていますね。とにかくまずは自分でやってみてって感じで、大体イベント関係、思いつくそういうやつは手を出しました。覚えちゃえば良いだけなんでね。

—–その中で様々なスペシャリストと出会って一緒にやるようになっていってるんですね。

西田 : そういう風にやっていると、そういう人達が助けてくれるようになるんですよね。それこそ本当に大人になって面白いと思うのが、大人ってそれぞれがそれぞれに色々なスキルを持っているんですよね。それが僕は楽しいなって思います。たまたま一緒に居酒屋で飲んでた奴がいたとして、そいつも何かのスキルを持っている訳で、そういうところから何かを一緒にできるっていうのは楽しいなっていつも思いますね。

佐野 : そうですよね。私も今回ネパールに行った時、たまたまヨガの先生が一緒に来てくれたのでヨガの授業をしたり、自作のソーラーキットを作る方も来てくれたので、一から子供達がソーラーライトを自分達で作る授業をやったんです。それはずっとやりたかったことだったし、大人が集まってある意味、託すことでさらに広がるから本当に面白いなって思います。

—– ソーラーライトはあきらかに子供たちの目の色が変わってましたもんね。物自体にもすごい興味を示していたし、日本から来たこいつら何者なんだっていう部分からちょっと進んだ感じはしましたね。

佐野 : そうですね。一生懸命やってたし、作り終わった後、みんな自信に溢れてあきらかに反応は変わりましたね。やっぱり一緒に何かをするっていうのは大事ですよね。

西田 : それはやっぱりそうですよね。海旅Campの子供たちもそうやって一緒に何かをやっていると気が付けば仲良くなっているし、それは大人もそうなんですよね。イベントをやっていて、新しく来たスタッフなんかは一緒にやるまでは全然なんですけど、何かを一緒にやり遂げたりすると凄い仲良くなるんです。だからやっぱり大人も子供も何かを一緒にやるっていうのが一番コミュニケーションになるんでしょうね。

—– 結局シンプルなんだけど、みんなで明るく過ごすと楽しいですからね。

西田 : やっぱりそういう所には人も集まってくると思いますね。でもそういった色々な事を自分の為にやったら何か冷めちゃうなっていうのはあるんですよね。

佐野 : それは私もありますね。

西田 : なんかそこで達成したところで、やっぱり誰かの為とか、何かの為とかでやらないと自分のモチベーションは続かないし、その先に子供の笑顔とかがあれば、大変だけどまたやろうっていう気になりますね。

佐野 : 色々やっている時に喜んでくれることを妄想しているのも楽しいんですよね。

西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー西田 優太 (海旅Camp、RAINBOW CHILD 2020) × 佐野 碧 (HIKARI SONG GIFT) インタビュー

—– それぞれ今後もずっと続いていく活動だと思いますが、さらなる展望とかありますか?

佐野 : やっぱり『平和』っていうテーマはもっと打ち出していきたいですね。今回「みんな違ってみんないい」の先に意志がないといけないと思ったように、これから先、自分の成長と共にどんどん考えも変わっていくとは思うんですけど、やっぱり大事な人を想っている時は悲しくても嬉しくても平和だと思うので、そういうメッセージを音楽を通してシェアしていきたいですね。それはネパールの人達はもちろん、日本の人達にも伝えていきたいです。

あと、ボランティアって仲間内だけでやっている人達が多い気がするんですけど、今回私はどうしても色々な人とやりたくて、誰でもどんな人でもウェルカムって感じでいたんですね。そうしたら何ができるんだろう、そういう人達が集まったらどうなるんだろうって思っていたら、実際に集まってきてくれて、それによりネパールで色々な授業を行うことができました。だからこれからもどんどん繋がっていきたいし、そういう団体と団体を音楽通じて繋げたりもしていきたいですね。もちろん平和っていう部分は共通して持っていれたら良いし、絶対誰かに喜んでもらいたくてやっている人は多いと思うので、ネパールに限らず色々と繋がっていきたいですね。

西田 : ミュージシャンってそうやって、自分が思っているメッセージを伝えられるから本当に良いなって思うんですよね。

—– そういう風に言うという事は、オーガナイザーとしてフェスとかイベントを企てる中で、みんなに伝えたいことがあるって事ですよね?

西田 : そうですね。だからうちのフェスでいうとアーティストをブッキングする時にそういう想いが通じ合える人にステージに立ってもらいたいし、例えばラッパーのDELIさんとかはすごい仲良いんですけど、僕もDELIさんの言っている事に共感するからこそ出てもらっているし、そういうことをMCでも言ってくれるし、

佐野 : それがある意味で表現になっている訳ですね。

西田 : そうですね。だからアーティストの人のそういう力って本当に凄いなって思います。

僕は今後の事とかあまり考えたことがないんですよね。フェスに関しても『RAINBOW CHILD 2020』っていう事で、「2020年が終わったどうするの?」っていうのをよく聞かれるんですけど、もし今後の事を言っても、その時僕がそれをやりたくなければやらないだろうし、だからあまり先の事は考えていないですね。だから今は次にやると決めた海旅CampとRAINBOW CHILD 2020に来てくれた人達をどう楽しませようかっていうことですね。その後はそれが終わってから考えるので、いつもその繰り返しですね。

でもまあ、大きい中で言うと今後僕が生きているうちに世界は平和になるでしょうね。

—– 今はまだ平和ではないと感じている部分があるということですよね?

西田 : そうですね。あっちの方でまだ戦争とかしてますしね。

—– 平和=戦争がないっていう事がひとつの指標ですか?

西田 : そもそも平和ってなんなんですかね?

佐野 : 私が今思う平和は、愛そのものであり、被害者意識から解放された一人一人が主体となって動く世の中です。また、社会的肩書きや立場だけでなく、誰かのために愛を使うことが素晴らしいという価値観も同じように追加されたら、もっと平和になるかなって思います。

西田 : 今の社会の中で思うのが、戦争って儲かるからみんな戦争をするんですよね。それはもしかしたら誰かの為になっているのかもしれない。だからこの社会でお金というビジネスが続く限り、戦争より儲けることが大事だと思うんです。僕はそれが『祭り』であれば良いと思っているんです。だからフェスをやっているっていうのもあるし、そういう音楽のフェスとか祭りが戦争よりもし儲かるならば、絶対そっちに行くと思うんですよ。だから僕にはフェスで儲けるっていう目標がうっすらあったりします。

そして日本で暮らす僕らが次にやる事は、平和の輸出ですね!


Photo & Interviewed by KISHIMOTO

イベント情報

RAINBOW CHILD 2020

『RAINBOW CHILD 2020』

【日程】
2018年8月12日(日)
OPEN 9:00 ~ CLOSE 21:00

【会場】
八百津町 蘇水公園
(岐阜県加茂郡八百津町伊岐津志2731-5)

【出演】
UNCHAIN
ellmer
OBRIGARRD
かむあそうトライブス
工藤真工
SAIRU
The Novelestilo
Dachambo
つしまみれ
寺尾紗穂
DELI
TOMI-E
bird
ハンサム判治
ブンブク
Makoto Okazaki
MADKID
yanafro
横川圭希
Rickie-G
RINO LATINA II

■ マリンスポーツやサッカーの無料ワークショップ、全国から集る約80店舗の出店、マルシェもお楽しみ頂けます!

【料金】
前売チケット:¥4,200
駐車場券:¥1,500 ※台数限定。駐車場から会場まで徒歩約15分、専用シャトルバス有り。
オートキャンプ券:1台 ¥3,500 ※台数限定、専用シャトルバス有り。

●事務局販売
http://www.cnplayguide.com/rc2020_hp/
●ローチケ
Lコード:43985
http://l-tike.com/rc_2020
●セブンチケット
http://7ticket.jp/s/064797
●CNプレイガイド
http://www.cnplayguide.com/rc2020_cn/

※小学生以下の入場無料、ただし保護者同伴に限る。
※中高生は当日エントランスにて学生証提示にて2000円で入場出来ます。
※チケットを購入した時点で公式HP記載の注意事項に同意したものとみなします。

【チケットに関する注意事項】
http://www.rainbowchild2020.com/ticket

【主催】
RAINBOW CHILD 2020実行委員会

【共催】
八百津町

【後援】
八百津町観光協会 / 美濃加茂市

【協力】
公益財団法人マリンスポーツ財団 / Toy-Factory/ ヤイリギター / どさフェス

【RAINBOW CHILD 2020 Official Website】
http://www.rainbowchild2020.com/


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