祝菓子を作る木型と日本の伝統的な手漉き和紙を用いた新しいアート
日本では昔から七五三や結婚、長寿の祝いなどの慶事の際、縁起の良い動物や植物をかたどった和菓子がつくられてきました。 鶴や亀、鯛、松竹梅といったモチーフに「我が子や家族が健康で長生きするように」という願いが込められています。 永田氏の作品は、これらの祝菓子を作った木型と日本の伝統的な手漉き和紙「西の内紙(にしのうちがみ)」を使って創られます。
永田氏は長年に亘り「記憶」という個人の心象風景や社会の辿った歴史などの、それ自体としては目に見えないものを見えるものとして紙を媒体にして写し取る作品「KIOKUGAMI」を制作してきました。 今回展示する「和菓紙三昧」はそのシリーズのひとつ。 「和菓紙三昧」によって吸い上げられた記憶が語るのは、祝い菓子をつくり続けた菓子型のモノとしての存在の時空とそれを巡る人間の物語です。
永田氏は江戸時代中後期から昭和時代まで日本各地で使われていた和菓子の木型を収集し作品に使用しています。 各地の地域性や風習を反映した木型で作られた数々の「和菓紙」たち。 それらは永田氏の創造力によってキャスティングされ新しいアートが生まれます。
「西の内紙」のシルクのような艶と陰影が美しい、躍動感溢れるアート作品をお楽しみください。
永田哲也展 ―群の記憶-
【日程】
2018年1月11(木)~1月17日(水)
※最終日は午後6時閉場
【会場】
GINZA SIX 5階 Artglorieux GALLERY OF TOKYO
(東京都中央区銀座六丁目10番1号)
http://artglorieux.jp/