Profile of |FUJI ROCK FESTIVAL|
~2017年フジロックフェスティバル2日目~
そういえば今年の苗場ではロンドンのアーティスト「ゴードン氏」作の岩に目がついたキャラクター「ゴンチャン」を例年以上に見かけるようになりました。 Akiyoshi Takadasi氏による「マッドバニー」共々会場中での癒しとなりましたね。
ちなみに、今年は250羽のバニーが放たれ31羽が盗難!されたようです。みなさん、盗難は良くないですよ~。
そんなバニーやゴンチャンに癒されながら向かった2日目のお昼前。目的はフィールド・オブ・ヘブンの「KYOTO JAZZ SEXTET」。DJ にして作曲家でもあるKyoto Jazz Massiveの沖野修也が立ち上げたジャズプロジェクト。ベースのループ感や管楽器の抜け方とか、これぞザ・アナログ。レコードからバンドが飛び出してきたような感覚に。小雨の中傘もささずに舞うように踊っていた人たちが印象的でした。
~事件です!「まねだ聖子」でほっこりし「Cocco」で泣く~
何もわざわざ苗場まで来てトリビュートアーティストを見なくても、、、ラインナップにこの「まねだ聖子」を見た時正直迷いました。そもそもイメージが全く沸かない(笑)。基本的に苗場で演奏するアーティストはオリジナルがほとんどだし、所謂おふざけ(今までの勝手なイメージです)なアーティストが硬派なフジロックにブッキングされるとは一体どういう事なんだと。
どういう事だったかというと。
松田聖子と言っても良い位のスーパーハイクオリティーなまねだ聖子がそこにいました。
似すぎてる!
振り切ってパフォーマンスするまねだ聖子と一緒に口ずさむたくさんのオーディエンス。オレンジカフェがほっこりと1つになる瞬間でした。全くもっておふざけではありませんでした。
そして衝撃的なCoccoのライブが行われたグリーンステージへ。
個人的に今年一番良かった邦楽アーティストがこのCoccoだったと思う。こちらも90年を代表するJポップというジャンルに属するであろうアーティスト。民放などの音楽番組に出ていた当時から少し他のポップアーティストとは違う空気感を放ってはいたもののロックやバンドとは無縁のイメージがあった。好きな曲はいくつかあるし、CDも持ってる。でもそれはあくまでもポップアーティストという括りを自分で勝手に作り出し、勝手にロックとは無縁という定義付けをしながら聴いていた1つのただの音源。なので、このCoccoを選んだのも懐メロを聴きたい位の軽い気持ちであった。
その軽い気持ちも、Coccoの歌っている姿を見て一瞬でかき消された。
彼女は本気。何に対してどういう風にどういう理由で本気なのかは分からない。が、とにかく本気でステージに立っている。そして本気で魂の奥底から歌っている。最初、死ぬ気ですべてを出しているからこそ出てくる殺気だったり迫力なのかと思ったら、段々見ているうちにそれは何かを本気で掴み取る為にステージに立っているのではないのかなと思い始めた。彼女が掴み取りたいものは分からない。でも、必死に足掻いて這いつくばって、そして実はその姿を見ている人々を優しい気持ちにさせる魔法がある。「ジュゴンの見える丘」を歌う彼女を見た時、自然と涙が出てきた。とにかく衝撃的な時間でした。
~Coccoの余韻のまま見た絶妙なタイミングの「CHRONIXX」~
衝撃的なライブを見てしまった後は、もう正直空っぽだった。移動の為テクテク歩くもどういう風に歩いてたかも記憶にない。ただ覚えているのは、なんとなくたどり着いたホワイトステージでの低温が心地良いCHRONIXXのライブ。空っぽな自分を埋めるかのように陽気で楽しいライブ。段々と消費した魂が戻ってくるような感覚。うん。Coccoの後のライブはそれとは対照的なCHRONIXX以外考えられなかったであろう。レゲエミュージックの魅力を再認識する事が出来ました。
~忘れもしない更なる衝撃的な展開~
Coccoで完全燃焼し、2日目はもうこれ以上の刺激的な瞬間は望めないのであろうと思っていた。ところが、、、グリーンステージでのトリ前のこちらも90年代を代表するアーティスト「CORNELIUS」の宇宙過ぎるライブで一気にぶっ飛ぶ事となる。ビジュアル、音質、楽曲。どれをとってもセンスの塊。常に進化をし続ける天才「小山田 圭吾」の制限のない自由な世界が、グリーンの無限な空間に広がっていました。これぞフェスの醍醐味。連続して良いライブを見ればそりゃー気分爽快です。
CORNELIUSのライブ中に何となく胸騒ぎ。20時10分から始まる「小沢健二」のホワイトステージは、もしかしたら人で溢れかえってしまうのではなかろうか?CORNELIUSのライブを全部見終わらないうちに、ホワイトへ移動するも、、「遅かった!」。既にホワイトステージへ向かう道は大渋滞。そういえば、この道。砂利道が舗装されかなり歩きやすくなりました。昨年までは結構ボコボコ道だったので足を挫きそうになったり歩くだけでかなり体力消耗。だいぶ助かりました。
しかし、なかなか進まない人だかり。やっとホワイトステージ手前の橋の辺りにたどり着くも、とにかく見たことのない量の人々がドンドンホワイトステージへと押し寄せます。橋が落ちるんじゃないかなって思った位。この橋で小沢健二 Feat. スチャダラパーの「今夜はブギー・バック」を聴くこととなるのですが、群衆は全く進まない。実質入場制限。このまま粘るか、少しでも進むか悩んだのですが、今度はグリーンに戻れなくなる可能性もあるので、結局来た道を戻る事に。この状況で「今夜はブギー・バック」が聴けただけでも良かったであろう。
ホワイトステージへ向かう人混みを掻き分けグリーンステージへ向かう。このタイミングでグリーンに向かう人は結構少なかったように思う。と、途中辺りから突然人の流れが切れた。逆方向へ向かう人はほとんどいないので、道に残されたのはグリーンステージへと向かう周りの数人だけ。どうやら遂にこの道は通行止めとなったようだ。少し歩くと先に進めず戸惑うたくさんの人々が立ち往生していました。こんな光景初めて。振り返ると人が誰もいない。異様な光景を見ながら改めて小沢健二への期待感が絶大なるものだったのだと再認識しました。それはそれは衝撃的な光景だった。
~やりたい放題「APHEX TWIN」の圧倒的なステージ~
しかし相変わらず雨が降り続くな、、と思った瞬間、この雨が突然光となり音となり降りかかってきた。APHEX TWINの登場だ。『え?グリーンってこんな低音出るの?』今まで見たフジロックでのライブの中で圧倒的に低温の音量がデカい。そしてもちろん音質が最高に良い。これだけ出してこれだけのクオリティーを保つ。その上で、やりたい放題遊びまくる。ここはかつて、天下のレッチリだってフーファイだってレディオヘッドだってコールドプレイだってトリとしてプレイした苗場の神聖なグリーンステージ。APHEX TWINにとってはどんなステージだって最大限にぶっちぎり振り切る。そんな気迫と遊び心で、低音とノイズとレーザーを乱れ打つ。天から降る雨とステージ向かいの山のスクリーンに映し出された光があまりにも幻想的過ぎて、何度も振り返り天を仰ぐオーディエンス。ステージ上は様々な形のパネルに映し出されたVJが別世界を演出。人々は彼を変態と呼ぶが、これこそが正常な音の出し方と演出なのではないだろうか。だって、これだけの空間、スピーカー、ステージがあったら、限りなく爆音を出したいって思うじゃない?パフォーマンス、音質、楽曲、演出すべてパーフェクトでした。
~躍らせ番長「LCD SOUNDSYSTEM」と90年代レジェンド「MONDO GROSSO」~
しかし2日目はとにかく濃かった。一度Coccoで2日目のハイライトを早くも終え、それ以上を望まないはずが立て続けにそれ以上が連発。APHEX TWINで本日2度目の衝撃を味わった後は、もう後は踊るのみ。ホワイトステージのLCD SOUNDSYSTEMは、全体的にしっかりと作り込まれていて安定したライブで終始体が動いたし、小山田 圭吾からの小沢健二 Feat. スチャダラパーからの90年代流れの締めのMONDO GROSSOは、もっと当時の雰囲気の音を出すかと思いきや、エレクトロダンスをバンドで表現。このアプローチは、常に先駆者である大沢伸一の世界観を表現するのに一番適しているのかもしれない。
そして予想以上に疲労困憊、、例年であればこの後は夜遊び。しかし天候もあり体がガタガタ。今年は夜遊び無しで2日目を終えるのでした。
FUJI ROCK FESTIVAL ’17 REPORT
7/28(Fri / 1日目) ≫ 7/29(Sat / 2日目) ≫ 7/30(Sun / 3日目) ≫FUJI ROCK FESTIVAL ’17 LIVE PHOTO
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