特集：SARANG ART HUB（マレーシア・タンジュンマリム）

マレーシアの首都クアラルンプールから電車に揺られること約90分。マレー鉄道ウエスト・コースト線（KTM）の最北端の駅、Tanjung Malim（タンジュンマリム）という場所をご存知だろうか？

駅を降りると熱帯雨林気候特有の生い茂る緑とノスタルジックな原風景が心象を刺激する。自転車に乗る少年は屈託のない笑顔で僕に向けて手を振ってくれ、道すがら話しかけてきてくれた老夫婦は僕が日本から来たという事を伝えると、自分達の家に泊まっていけと、切願してくれた。思わぬ歓迎ムードに何かが溶けていくような温もりを穏やかに感じることができた。

一見すると素朴な田舎町といった感じなのだが、この街にはさらなる魅力がある。昨今、ニュージェネレーションを中心に『アートの街』として感性を放出している。至る所に洗練されたウォールアートを眺めることができ、その拠点ともいえるSARANG ART HUB（サラン・アート・ハブ）ではエキシヴィジョンやライブなども頻繁に行われている。Art、Music、Foodを体現するこのアート・ハブのインタビュー、店内写真を中心に近隣のウォールアートをフィーチャーした特集です。

SARANG ART HUB インタビュー

—–　タンジュンマリムとはどういった街ですか？

タンジュンマリムは若者を中心とした新しい世代がクリエイティブな活動を行うアートの街として知られています。また、街中では至る所で魅惑的なアートワークを目にすることができます。それ以前には学者や先生が集まる事が多くあった為、知識や学識を得る（Bandar Muallim）の都市として知られていました。

—–　その中で、SARANG ART HUBはいつ、どのような目的で作られたのですか？

2015年に若者の為のアートセンターとして、また、アートを含む周辺のコミュニティに有益な活動拠点として作られました。独自性をアピールして観光客を引き付ける目的も持っています。 Anak Seni Sarang Malaysia (PASSM) という協会が所有し、ディレクターを務めるMamat Khalidは有名なフィルムディレクター（映画監督）としても活躍しています。

—–　ここにはどういった人達が集まってくるのですか？

様々な人種や国の人達が訪れてくれています。アートや音楽に興味がある人はもちろん、併設されているRasa Sarangカフェで食事を楽しむ事ができます。

—–　この場所のアートワークはどういったアーティストが描いたものなのですか？

本当に色々なアーティストがこの場所を訪れ、作品を残してくれました。タイプやスタイルも多岐に渡ります。この場所では、展示会や、競技会をはじめ、様々な芸術活動やそのサポートも行っています。

—–　現在、お気に入りのアーティストはいますか？

『Awie Wings』は最高のロックスターだと思います。その他にも色々いるんだけど、この場所では様々な音楽やアートとリンクしてやっていけたらと思っています。

—–　食事のメニューはどういったものがありますか？　おすすめがあったら教えてください。

マレーシアの伝統的な郷土料理と、一般的な西洋料理もあります。全部人気はあるんだけど、はじめて来た人なんかにはこれらを勧めています。

【Appertizer – 前菜】
Lempeng （プレート）

【Local Cuisine – 郷土料理】
Mee Goreng Pak Jabit （ミーゴレン）
Nasi Goreng Petai（ナシゴレン）

【Western Cuisine – 西洋料理】
Lambchop（ラムチョップ）
Cheesy Chickenchop（チキンチョップ）

—–　ドラムセットや機材なども置いてありますが、ここではそういったライブなども行われているのですか？

はい、音楽、ダンスをはじめ、ドラディショナルなショーやファッションショーなどのパフォーマンス、公演も行われています。

—–　日本にもこの場所に興味を持ってくれる方はたくさんいると思います。そういった方達にメッセージをお願いします。

この場所に興味を持ってくれてどうもありがとう！
Sarang Art Hubは全てのアートや音楽を愛する人達におすすめの場所です。若者の創造力やクリエイティブなアートをはじめ、様々なアイデアを交換し共有するコミュニティースポットでもあります。そういったユニークな才能がより一層花開く事を願い、その為のプラットフォームとして促進しています。ここでは、今注目すべき才能を体験する事ができます。是非、遊びに来てください。