「大人の塗り絵」シリーズ最新刊発売。著者は半身不随から「塗り絵」で復活!
「大人の塗り絵」の著者自身が塗り絵でリハビリを成功させていた!
『大人の塗り絵 スイスの風景編』の著者は同シリーズを20冊以上も出版していますが、著者の門馬朝久氏は5年前、突然右半身不随に。 絵を諦めることも考えたそうですが、リハビリで塗り絵を活用したところ徐々に動くようになったと語ります。
2012年、『大人の塗り絵 九州の風景編』の絵を準備中に脳出血で右半身不随となってしまいました。
右利きの門馬さんは左脳への出血により、右手がほぼ動かない状態に。 倒れてすぐのころは、話すこともできませんでした。
入院後、しばらくして「ふだん自分は原画を描いているけれど、塗るほうもやってみよう」とリハビリ目的で塗り絵をはじめたそう。
動けない右手に色鉛筆を握らせて、左手を添えて塗っていたそうです。
塗り絵によるリハビリ効果がよかったのか、いまでは病気で倒れたことを全く感じさせないような絵が描けるくらいに回復。
日本各地や、世界へのスケッチ旅行も再開し、『大人の塗り絵 ハワイの風景編』『大人の塗り絵 四国の風景編』『大人の塗り絵 日本をめぐる四季の旅編』『大人の塗り絵 スイスの風景編』と次々と新作を発表されています。
門馬さんは必ず現地を訪れて描かれるスタイルのため、この出版のためにハワイやスイスにも取材旅行へお出かけになりました。
また、3ヶ月の入院中に、塗り絵をしている門馬さんを見て、他の入院患者さんや看護師さんたちが興味を持たれたため、病院内で教えることに。
発症当時の門馬さんのように、言葉を発することが難しい方や深刻な症状の方々も多く入院していました。
塗り絵をする前までは、お互い話をすることもなく、病室の雰囲気は重たく暗かったそうですが、皆で一緒に取り組むうち、見違えるように病室の雰囲気が良くなり、明るくなったそうです。
みるみるうちに病院内に塗り絵の和が広がっていき、作品を壁に貼りだしたり、最後は誰でも参加できるよう合作の塗り絵にみんなで取り組んだりして、大変喜ばれたとのこと。
かねてより、日本認知症予防学会の医師より、大人の塗り絵の認知症予防の効果が謳われていましたが、リハビリや病院内の環境整備にも役に立った事例を体験し、著者としても「自分が関わっている大人の塗り絵が、こんなに人々の助けになるなんて」と大変感動したそうです。
『大人の塗り絵 スイスの風景編』
単行本 A4変形 ● 40ページISBN:978-4-309-71949-8 ● Cコード:0072
発売日:2017.05.23
950円(税別)
河出書房新社
門馬朝久 著