すべて初公開!遊牧民染織品の一大コレクションから、 絨毯、キリム、塩袋など約70点を展示
イランを中心とした西アジア地域に展開するバルーチ族やカシュガイ族、クルド族などの遊牧民たちは、旅を前提とした遊牧の暮らしの中で、絨毯(じゅうたん)やキリム、塩袋などの染織品を織り、使用・伝承してきました。絨毯は、暖をとるためにテントの下に敷いたり、キリムは室内の間仕切りや装飾に使うなど、これらの染織品は遊牧民の生活になくてはならないものです。また、塩袋は家畜の群れの活動をコントロールするための塩を入れるものです。私たちには馴染みのない生活用具ですが、各部族を象徴する文様を織り込んだ羊毛織りの塩袋は、精緻な文様をもつ染織品としての魅力だけでなく、ユニークな凸型の姿も、見る者を楽しませてくれます。
今回展示する「丸山コレクション」は、もはや現地でも入手不可能な百~数十年前の絨毯やキリムを中心に、塩袋や鞍袋、食卓布といった生活用品にまでおよぶ、遊牧民染織品の一大コレクションです。個人の資料であるため通常は公開されていませんが、当館では2008年にも塩袋と生活用袋物を中心とした展覧会を開催しており、好評を博しました。
「丸山コレクション」を紹介する展覧会として第二弾となる本展では、遊牧民ならではの魅力にあふれた絨毯に重心を置き、キリム、塩袋も合わせた全て初公開の作品約70点を展示します。厳しい暮らしの中で一心に織られた染織品としての“美しさ”とその“迫力”に触れていただきます。
丸山コレクション 西アジア遊牧民の染織 ~塩袋と旅するじゅうたん~
会期:2017年1月21日(土)~4月9日(日)会場:たばこと塩の博物館 2階特別展示室
所在地:東京都墨田区横川1-16-3(とうきょうスカイツリー駅から徒歩8分)
電話:03-3622-8801
FAX:03-3622-8807
URL: https://www.jti.co.jp/Culture/museum/
入館料:大人・大学生 300円(150円) 小・中・高校生 100円(50円)
満65才以上の方 150円(100円) ※満65才以上の方は要証明書
*( )内は20名以上の団体料金
*この料金で「西アジア遊牧民の染織」展と常設展示をご覧いただけます。
開館時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日:月曜日(3月20日は開館)、3月21日(火)
展示関連イベント
<展示関連講演会>
定員:90名 当日整理券制
「遊牧民絨毯を巡る旅 ―絨毯とともに30年―」
日時:2017年1月28日(土)
講師:丸山繁(ギャラリーササーン代表)
2017年2月11日(土・祝)
「塩袋を通して広がる世界」
講師:高梨浩樹(たばこと塩の博物館主任学芸員)
2017年3月18日(土)
「絨毯にみる地域性と特徴 ―遊牧民絨毯と都市の絨毯―」
講師:丸山繁(ギャラリーササーン代表)
2017年3月25日(土)
「対談 ―塩袋と絨毯の魅力あれこれ―」
講師:丸山繁(ギャラリーササーン代表)
高梨浩樹(たばこと塩の博物館主任学芸員)
<映画会>
定員:90名 当日整理券制
2017年2月26日(日)・3月4日(土)
「ボーダレス ぼくの船の国境線」
アミルホセイン・アスガリ監督(2014年/イラン/102分)
2017年3月11日(土)・3月12日(日)
「ひとにぎりの塩」
石井かほり監督(2011年/日本/73分) *上映後、監督によるトークあり
※展示関連講演会、映画会は、いずれも午後2時から、3階視聴覚ホールで開催。
※参加には、常設展のみご覧いただける入館料(一般・大学生100円/満65歳以上・小中高校生50円)、または「西アジア遊牧民の染織」展観覧料が必要です。
※当日開館時より整理券を1名につき2枚まで配布します。
(配布時に人数分の入館料または本展観覧料をいただきます)
展示品例
起毛(パイル)のある織物で、主に敷物、ときには寝具としても使用されました。イラン各地の山野で部族ごとの遊牧生活をおくる人々が、自分たちの生活のために織った絨毯を中心に、文様や色むらなど、遊牧民ならではの味わいが感じられる作品です。