30年前のAndy Warholの奇跡的な瞬間をフィルムに収めたLA在住の写真家Karen Bystedt。彼女の持つ独特で力強いインスピレーションと嗅覚が生み出した世界中どこを探してもなかなか見つけ出す事の出来ないAndyの貴重な肖像写真。その写真に彼女が息を吹きかけ、30年の時を経てAndyが動き出した。
Karen Bystedt Interview
—–まず始めに貴女自身の事を教えて貰えますか?
結構幼少の頃は荒んでいたのね。私が幼い頃に両親が離婚。離婚直後までロンドンに住んでたんだけど、それからサンフランシスコに移住して幼少時代はほとんどサンフランシスコで過ごしたの。それで最終的にロスに越してきて今はロス在住。割と早くから自分自身他の子達と何かが違うっていう事に気が付いてたんだけど、その何かが違うっていう感覚っていうのはアート的な部分だったのかなって今は思うの。16歳で高校を卒業してパリにも行ったんだけど1ヶ月は美術館と字幕付きのフランス映画漬けの毎日だったかしらね。
—–いつ写真を撮り始めて、いつプロになる為意識し始めましたか?何かきっかけなどはありましたか?
ファッション関係の彼氏がパリにいたんだけどその彼がレイカカメラを持ってて。それで彼が買った服を撮ってって言われて撮り始めた時からなんとなく撮る事が好きになっていった感じかしら。
それからフランスやイタリアのヴォーグ誌とか色々な雑誌とかをチェックし始めてる内に特にGuy BourdinとToscaniとHelmut Newtonの写真に夢中になったの。とにかくファッション関係の写真にアートとして凄く惹かれて、パリに住んでた頃に友達の写真撮影を始めて。それからNYUで写真科のクラスを受けたんだけど基本的に数年間はずっと暗い部屋で過ごしてたわね。私の写真が出回る様になった際に、モデル事務所のCLICKが私の噂を聞きつけてテストでモデルの写真を撮ってみないかって言われて。それで事務所が私は特に男性の写真を撮るのが長けてるってアドバイスをくれたの。
—–過去の作品で人々の顔を撮る事が多いですが、それには何か理由があるんですか?
最初にファッション関係とモデル達を撮り始めたきっかけから、前から凄くやってみたかった俳優を撮るようになったのね。元々映画に対しては凄く情熱を持ってたから彼らがどんな人でどこから来たのか知りたかったし。 肖像写真を撮る事が私の求めてる事を満たすのに最も適した方法だったの。
—–肖像写真意外にどんな事を撮るのが好きですか?
旅をする事は私の世界を刺激する。特にアフリカは好き。南アフリカやボツワナやジンバブエのサファリを旅した事もるし、野生の動物とかサファリに密接する美しい人々を撮るのも大好き。将来的に今まで撮ったアフリカ写真をWild & Beautiful Africaって題で出版する事も考えてるのよ。
—–普段の日常で写真を撮る事もあると思いますが、どんな瞬間にカメラを握りますか?
インスピレーションと美の瞬間を感じた時、特にアートのイベントだったり旅をしてる最中はいつでも携帯カメラでそのイメージをとらえるの。
—–Andy Warholの写真を約30年前に撮りましたが、そのいきさつを教えて貰えますか?
彼のBarneys New Yorkの広告を見た時に、彼がモデルをする事に興味があるっていうのはなんか直感であって、彼をモデルとして撮ってみようっていうアイデアが浮かんだの。
それでofferする為に”The Factory”っていうインタビュー雑誌に電話した時にまさかAndyが直接電話に出るとは思わなくて!だから物凄く驚いた瞬間だったし凄く緊張したわ。でもいちかばちか直ぐに私が誰で私が男性トップモデルを撮ってた話なんかをしたの。しかもたまたま私が以前に撮ったモデルがZoliっていうカタログに出てたんだけど、調度同じページにAndyが掲載されてて。だから彼も私がその当時売れててホットなモデルを撮ってた事を知ってたから話が早かったわね。
—–彼の表情やポーズはどういう風に現場で行われたんですか?
Andyは人をジロジロ見る感じのおどけた人だったの。だから私のチャレンジはどう彼をモデルにするかって事だった。撮影をする為にThe Factoryに行った時彼は既にPerry Ellisのスーツに身を包んでいてちょとt緊張してる感じだったわ。ぎこちないっていうか、やや怯えて弱っている感じっていうの?でも意外とあっという間に撮影の準備に取り掛かる事ができたの。私はただただ最高のアーティストの最高の作品を撮る事に集中しただけ。ちなみに旗を持つアイデアはAndyだったのよ。
—–撮影の際の雰囲気など瞬間を覚えてますか?
彼は短所も長所も持った凄く人間味がある人だったの。私は彼と仕事をする機会を持てて凄くラッキーだったと思う。彼と接する時は彼に対して1人の”人”として接してたし、決して彼の名声とか富に対して触れたりはしなかった。
—–何か彼の撮影時のエピソードなどありますか?
Andyはあの時凄く厚化粧をしてたから彼の滑らかな顔に手を伸ばしたの。そしたら飛び跳ねる位驚いてた。誰も彼に触れた事もなかったのね。みんな彼と距離感を保ってたし。だから多分彼に触れる事は、彼自身も”REAL PERSON”として感じる事が出来たんじゃないかしら?
それと彼は他のモデル達と遊びたかったからスケジュールを丸一日抑えたかったみたい。本当は30分位の予定だったんだけど、残りの撮影もずっといたわ。私は彼にリラックスさせる事が出来たと思うし私の事を信頼して貰う事も出来たと思う。それと彼をよりハンサムにもする事もね。
—–30年間Andyのネガが眠っていましたが?
NYUを卒業後、色々と場所を転々としてて私の作品も色々な所で保管されてたんだけどどこに何があるか分からなくなってて。それで30年後にLAのガレージで10枚のネガを発見した時は、本当に宝物を発見したかの様な物凄い瞬間だったの!
—–展示会の事について聞かせて貰えますか?
LAのRobert Berman GalleryにあるBergamot Stationっていうところで”Photo LA”の為のSHOWを終わらせたばかりで、その他にも東京やNYでのプランもあるのから今進めてるところなの。
肖像写真だけを使った唯一無二の作品を作り上げるのには限りがあると思うし、もっと特別な事が出来る、ある意味”Andy”っぽい事が出来る機会があると思ってAndyの肖像写真をキャンパスにとして使って他のアーティストに絵を重ねて貰ったりしてるの。
Andyの考える商業アートの様にね。彼を失望させないようにしない様にがんばらないといけないわね。
—–話は変わりますが今年春先に日本に初めて来たみたいですが、その経緯を教えて貰えますか?
元Orgyってバンドで今はJulien KってバンドのリードシンガーのRyanとChapter Mens ClothingのFrankがAndyの日本でのShow開催に向けて人を紹介してくれるから行こうって事で行ったのね。
—–日本の最初の印象は?
日本に着いてそのまままっすぐ渋谷のホテルへ行ったんだけど、まずは親切なスタッフと美味しいアールグレイティーに旅の疲れが癒されたわ。街はとっても美しくてスタイリッシュで清潔感があって建築的で、なんだか怖いくらいに美しかったわね。正直なところ今回の旅で東京が物凄く好きになったの。
—–今回の旅でどこへ行ってどこがお気に入りの場所だったか教えて貰えますか?
原宿にある素敵なお店”ヒステリックグラマー”に連れて行って貰ったり、ホテルが渋谷だったから渋谷原宿でもちろん買物もたくさんしたし。物凄く美味しい餃子のレストランにも行ったし、キルビルの映画の舞台のモデルにもなった権八っていうレストランのタルタルツナは痺れる位美味しかったわね。一番好きだったのは鎌倉の長谷寺。とても美しかったわ。
—–現在LA在住っですが、同じ大都市東京とはどう違いますか?
LAは全く違うわね。たくさんの地域に別れてるから、東京やニューヨークやパリみたいに凝縮した街とは全然違う感じがするわね。
—–写真家のKaren Bystedtとしてどんな事をしたいかアイデアはありますか?
私がやってるプロジェクトのThe Lost Warhols Collectionを東京で是非やりたいわね。波長が合って可能であれば日本人アーティストともコラボしてみたいの。特にファッションとアートが融合されたクリエイティブなコラボは凄く興味深いから是非やってみたいわね。
—–今度来日した際に個人的には行きたい場所ってありますか?
必ず行きたいって思っているのは温泉。それと京都にも行ってみたいかしらね。それとやっぱりもっと大仏とか仏像を見たいって思ってるの。あ、あと日本のあの薄いピザは世界で一番美味しいピザだと思うから、だからまた東京に行ったら食べたいわね。
—–最後に日本のファンにコメントを貰えますか?
たくさんの若い人達がAndyの事を知ってて凄く印象的だったから、この私のAndyのprojectを日本の人達と共有出来ると思うと凄くドキドキするわね。是非日本で開催したいって思ってるから、その時を楽しみにしてるわ。
—–最後に、もしAndyが日本を訊ねたら彼はどこの場所が気に入ると思いますか?
きっとAndyは映画のLost In Translationが撮影されたパークハイアットホテルのティーラウンジが気に入ると思うの。私も友達と行ったんだけど凄く気に入った場所だったしね。彼がEnjoyしてる姿が想像出来るわね。
Karen Bystedt Official Website
http://karenbystedt.com/
Main Photo of Karen Bystedt By JOpen