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フジロックフェスティバル ボードウォーク特集 ~描かれたメッセージ~
苗場に生い茂る木々の中を司る一方通行の道しるべ。その先にあるものは、広がる自然と川のせせらぎ、さらなるステージの音楽と歓声がこだまする中、連なる人々の足取りは前へ前へ歩みを進める。
WHITE STAGEからFIELD OF HEAVEN、ORANGE CAFEへと向かう路とWHITE STAGEからGREEN STAGEへ戻る路。
ただの通路としてではなく、車いすの方や乳母車を押すご家族も含め、誰でも気軽に森林散策を楽しむ事ができるよう配慮がなされているその木道は、重機やケミカル材を一切用いず、自然の木材のみで作られている。それはフジロックの森プロジェクト主導のもと毎年のべ300人を超えるボランティアの方々や地元苗場の皆さんの力で維持され、築かれている。毎年フジロック開催前に参加希望者を集いボードウォーク・キャンプというイベントでボードウォークの清掃、補修作業などを行う他、開催中も常に目を配り陥没箇所の補修などに勤しみ、僕らが安全に楽しむ為の活動でフジロックを支えてくれている。
木々が示す深くも単純な美しい表現にデコレーションやライトアップ、MADBUNNYという癒しと彩り豊かなアートワークなど人知を加えた感性、天候や時間帯、そこを歩く人の数などによっても異なる雰囲気を醸し出すなど見どころは豊富にあるボードウォーク。そんな中、今回はボードウォークの板に描かれた様々なメッセージに注目してみた。
このボードウォークに記されたメッセージ、通常は1枚 1,000円以上のカンパを行うことで誰でも描くことが可能なのだが、先に述べたボードウォーク・キャンプの時、参加者は無料で描くことができるので、その多くを担ってくれている。まっすぐな気持ち、ちょっと恥ずかしかったり、甘酸っぱかったり、くすっとしてしまったり、意味不明だったり。それはそれは色々な描き込みがあります。何年も前に描かれたものも多々あるので残念ながら消えかかってしまっているものもあるのですが、単純な文字のみというわけではなく絵や線、手形、足跡、マークやロゴなどバラエティーに富んでいる。
今回、ボードウォークの足元を彩るそのほぼ全てを写真に撮ってみた。些細なところからひとつひとつのストーリーを連想するのも面白いじゃないか。想い、願い、主張、衝動、記されたメッセージ、描かれたスケッチを記憶と記録、そしてリファレンスとしてここに残す。