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FUJI ROCK FESTIVAL ’16 フジロック20周年記念 Article ~20年前のフジロックを振り返る~

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FUJI ROCK FESTIVAL ’16 フジロック20周年記念 Article ~20年前のフジロックを振り返る~

Profile of |FUJI ROCK FESTIVAL|

日本最大級の野外ロック・フェスティバルが開催

『レイジとレッチリが富士山に来るらしい。』当時活動していたバンドのメンバーに誘われ半ば無理矢理車に乗せられ向かった天神山。それまで野外での音楽イベントと言ったら、どこかのキャンプ場や山で行われていたRAVEに行った事があった位で、野外で海外アーティスト、しかも “絶対に見たい!海外アーティスト” が観れる野外フェス環境はここ日本では皆無であった。96年に日本ランドで開催されたRainbow 2000を皮切りにして起こった日本における野外フェスという概念を確固たるものにしたフジロックフェスティバルは、97年に初開催。以後野外ロック・フェスティバルのパイオニアとしてその土壌を開拓し続けている。しかし、当時の自分は、『野外でフェスがある』という意識よりも、『レイジとレッチリが来る!』という、その他ウィーザーやグリーンデイなどのラインナップにだけ注目し、野外でフェスをやるという事自体全くもってイメージが出来なかったのだ。それはちょうど20年前の19歳の夏の出来事でありました。

野外フェスを甘くみていた20年前の私

自分の音楽史の一大イベントとして今でも記憶にしっかり残っているあの伝説の第一回目FUJI ROCK FESTIVAL。当時住んでいたのが地元の横浜であった為、さほど遠くは無い富士の天神を目指し、サンダルにショーツ、更にはキャンプ用品なども一切持たずに完全無防備で友達の車へ乗り込んだ。どこに泊まるのかも日帰りなのかも分からないという、軽い遠足気分で望んだわけだけれども、現地では想像もしなかった現実を突きつけられたわけです。まず、駐車場が会場から遠い上に、会場と駐車場を繋ぐはずのシャトルバスが一向に来ない。仕方なくとりあえず歩く。どれだけの距離があったかは覚えていない。結構な距離を歩いた気がする。途中、セブンイレブンを曲がった会場に唯一続く一本道で混乱する車やシャトルバスの渋滞を横目に、ひたすら会場へ向かう。会場に到着してからの記憶はトリ前前の出番であったレイジアゲインストマシーンまであまり無い。何をしていたかも覚えていない。ただ、覚えているのは物凄い豪雨が降り出して困惑した事。そして、雨宿りをする場所が無い上に体が冷え始めたので、思いっきりモッシュピットへ突っ込んでいって泥だらけになりながら体を動かし暴れた記憶。ずぶ濡れになった人々が暴れまわるものだから、それが水蒸気となって上へ上へと上昇し始め、ステージが霞んでみえる。あの光景は自分の音楽人生の中でも忘れる事の出来ない光景となった。水蒸気と雨の隙間から微かに見えるレイジアゲインストマシーン。取り憑かれたように夢中で人を掻き分け体を動かした。

動き回った後に更に雨に打たれ続けられれば、夏とはいえ山のスキー場では当然体が冷える。結局、次のトリ前のザ・イエロー・モンキーで体は衰弱し始め、天神スキー場はもはや避難民で溢れ返っていた。そして、楽しみにしていたトリのレッドホットチリペッパーズを見る体力も残っておらず、無念にも天神を去る事となったのだ。しかし、何度でも言おう。イベントの運営がどうのこうのとか思った事は一度も無い(一部では叩かれていたようですが)。むしろ、あの伝説のレイジのライブを観れた事、そして20年間続いているフジロックフェスティバルの伝説の第一回目を歴史的証人として参加出来た事を誇りにさえ思っております。もちろんあの失敗から、参加者も運営側も学んだ事は多くあったとは思うけど、アレはアレ。あんなフェスティバル、良い意味でも悪い意味でももう先には絶対に体験出来ないであろうと思う。たくさんある自分の音楽史の中で、トップに入るであろう衝撃でありました。

フジロック Green Stage(1997)

フジロック Green Stage(1997)


あれから14年後の2011年にフジロックとの再会。

“あの”第一回から、個人的にバンド活動が激しく忙しくなった為、フジロックとは少し距離を置く事となりました。トラウマがあったとかは一切無く、単純に行く機会をずっとずっと逃していた。もう一つの理由は、『次にフジロックへ行く時はバンドとして出演する!』といった、アーティストとしての意地が含まれた目標でもあったからであります。そして14年ぶりのフジロックに取材という形で参加。2011年の最終日に初めて苗場の地を踏む事となりました。

何が変わったか?

あの第一回目と比べたらもう全く別のイベントっていう位変わったでしょう。まずそもそもの場所が違うわけだし、ステージの数だって全然増えて、参加人数も比べられない位に増えている。空白の14年の間に、フェスが人々に定着し、人々がフェスに定着。音がフェスに定着し、目まぐるしく変わる天候さえも定着。でもですね、あれだけの数の人々が定着するっていうのは、一つのムーブメントだと思うし、そこに運営側の愛と努力無しでは成立する事は不可能な現実があったと思われます。でも、実はここが最も重要な部分なのだけれども、場所は違えど14年ぶりに参加したフジロックの会場の雰囲気とか、空気感って、実は第一回目の時に感じた空気感に限りなく近かったわけです。ジャンル、シーン、年齢層関係無く、幅広い層の人々を魅了するバランスと居心地の良いフェス。それがフジロックなのです。

そして20年後のリベンジ

最初に述べたように、悪天候と個人的な体力の限界により、第一回目のフジロックのトリでもあったレッドホットチリペッパーズを逃した私。10周年という節目にも招集されているだけに、もはや周年には欠かせない存在となった彼ら。個人的なフジロック集大成として、今から物凄く楽しみな次第でございます。フジロックにはそれぞれの思い入れやストーリーがあると思います。アーティスト、関係者、主催であるスマッシュ。そして、オーディエンスの20周年が、必ず印象深いものになるでしょう。それでは当日、同じ苗場の空気を吸って、行き交う人混みの中で、お会いしましょう。


Text by Kenichi Kono

20th Anniversary FUJI ROCK FESTIVAL’16

2016年7/22(金)23(土)24(日)
新潟県 湯沢町 苗場スキー場

時間:9:00 開場 11:00 開演 23:00 終演予定

-入場券-
【一般発売】
1日券 ¥19,000
2日券 ¥36,000
3日通し券 ¥43,000

中学生以下は保護者同伴に限り入場無料となります。

オフィシャルサイト
http://www.fujirockfestival.com


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