VERY BE CAREFUL
2013年7月27日(土) @ FUJI ROCK FESTIVAL ’13
少し前の時間より降り出した豪雨によりオレンジコートは沼地とかし、なかなかどうしてオーディエンスにも過酷な状況が訪れていた。
しかしVERY BE CAREFULが登場し演奏を始めると一心不乱に踊り狂う音楽中毒者たちが続出していた。もうね、ここまでの豪雨でぐちゃぐちゃだと開き直って楽しくなるというもんですよ! そこに来てこのサウンドですから!
VERY BE CAREFULが奏でるクンビア・ミュージックは中南米の大衆音楽として知られ、ゆったりとしたシンプルなビートに哀愁漂うメロディーが特徴的。レゲエやジプシーミュージックにも通ずる踊れる要素をふんだんに含む実にエキゾチックな音楽なのである。
コロンビアの移民の子であったVERY BE CAREFULはL.Aのストリートからその活動をスタートさせ日本でもこれまでにフジロックや朝霧ジャムなどに出演を果しその知名度を高めてきた。ショーストラマーが晩年最も好んだ音楽がこのクンビア・ミュージックだと言われ自身のライブにVERY BE CAREFULをオープニングアクトで起用したのは有名なエピソードである。
今回のフジロックでは初日にCAFÉ DE PARISやCRYSTAL PALACE TENT、場外のSHOP AREA、2日目にはこのORANGE COURTの他に夜には苗場食堂にも登場し観衆を魅了した。さらに言うと、フジロック前には東京で2公演、群馬でもライブを行い、フジロック終了後もそのままジャパンツアーは続き、金沢、名古屋(2公演)、松山、神戸、大阪、渋谷、下北沢、再び新潟に戻りーの、秋田、盛岡とまさに日本中を席巻した。
その中で今回最も大きいステージとなったのがこのフジロックでのオレンジコートなのだが生憎の空模様にも関わらず本当にみんな楽しそうだったなぁ~。前の方で踊り狂う人たちはもちろん、このエリアはわりとしっかりとした食べ物なんかも売ってるので食事をしながら、また反対側ではトイレに並ぶ人たちも一様に体を揺らしていた。 演奏している本人たちもビール片手にステージから写真を撮ったりしている(笑)
「この写真はFACEBOOKにアップするからさ!」なんて言って実に近い距離感を作り出していたし、この環境下で楽しみ続けるオーディエンスに向けて「最高」「クレイジー」という言葉を何度も使い興奮を伝えていた。
シンプルな2ビートにアコーディオンの音色が響き渡り魅惑なコーラスが昭和歌謡にも似た独特な風合いをもたらしながらも終盤には激しさを増していく。ムーディーな雰囲気と情熱的要素を併せ持った力強い歌声と演奏は苗場の豪雨をもスパイスとしてあしらうほどの包容力と味わいを魅せていた。
photo by kenji nishida