Profile of |FUJI ROCK FESTIVAL|
TURTLE ISLAND
2013年7月26日(日) @ FUJI ROCK FESTIVAL ’13
どこの国々にも先代から代々伝わる伝統的な楽器や音楽があって、その国々それぞれに民族音楽の特色はもちろんあるわけだけど、幼い頃から常に耳にし体感してきた体に染みついた懐かしい音、その国に生まれ育った人にしか分かり得ない、日本というこの島国でいえば誰もが聞いた事があるであろうあの祭りの夜に響き渡る太鼓と篠笛。その日本が誇る伝統楽器を基中心に世界各国の楽器を奏でる豊田CITY発”TURTLE ISLAND”が今回フジに堂々の初登場。しかも祭りの景気付けにまさしくうってつけな初日の一発目。
このTURTLE ISLANDの”祭りの始まり”を見る為に去年の教訓を活かし交通手段を電車から車に変え、陽が昇る遥か前から東京を出発。フジの大きなステージの中では一番奥に位置するORANGE COURTへ足早に移動。もちろん出演時間が30分違いで被っているトータス松本氏と甲本ヒロト氏などをゲストに迎え入れたフジロック発オリジナルバンドの「 ROUTE 17 Rock’n'Roll ORCHESTRA 」も気になる所だったし、貴重なこのメンツは取材的にも抑えておきたいと思うのがもしかしたら通常な神経なのかもしれない中。。。TURTLE ISLANDの持つあの独特な空気感とお祭り魂がどう苗場の空に響き渡るかしっかりと見ておきたかったのと同時に、単純に僕自身のフジロック三日間という祭りの始まりの景気付けを彼らに託したかったのかもしれない。そんな思いでステージの前に辿り着いた。
始めて聞いた時に強烈なインパクトを持った楽曲印象的だった、
歌詞とリズムと歌と太鼓と多様な楽器と、初めて彼らの音を聞いた時に物凄いインパクトを叩きつけられた曲”宇宙の真ん中”でのイントロが2曲目に流れた時、僕の2013年のお祭りがスタートした。宇宙の真ん中がまさしく今このORANGE COURTで、そこから世界に向け宇宙に向け発信する彼らの音霊、阿波踊りさながら手の甲を空に掲げ、叫び、踊り、唄い、飛び跳ねるオーディエンスもまさしく今世界の真ん中にいるのだ。
彼らの音を聴くとなぜかじっとしていられなくなり右へ左へと移動しながらステージを観ていると、うしろのボードウォークの方からゾロゾロと集まってくる人々の中に外国人のお客さんが多い事に気が付いた。何が起きているか知らずにか、もしくは前夜祭での彼らのステージのウワサを聞きつけてやってきたのか、ステージを観た瞬間何か新しいオモチャでも発見したかの様な顔でステージに駆け寄っていたのが印象的だった。
『こんなバンド、世界中のフェスを観て回っても見つける事出来ないでしょ?』
勝手に心の中で彼らに話かけていた誇らしげな自分がなんだか凄く心地良かった。もっともっとたくさんの人に観て貰いたい。。。
僕たちはこの島国で伝統的な和を重んじつつ、外の土地からの文化とも上手に付き合いそれを要素として取り入れながらも、たまに本来自分達が生活の一部として持つべき和の心とプライドを失い恥じる瞬間がある事さえある。西洋の文化に侵されてしまったと思った瞬間このバンドの持つ精神と音に今後確実に救われるだろう。そしてそれをロックという手段を使って世界に広げてくれるであろうTURTLE ISLANDの勢いは止まらない事をこのORANGE COURTのステージで証明された!
ライブ後に知人の外国人を発見し、彼らの音を一言で表現すると?と話しかけてみた。”OMATSURI PUNK”と答えたアメリカ人の彼。日本の和心が持つPUNK精神。妙に納得。海外にも彼らのスピリットがしっかりと伝わる事が確信。
景気付け?いやいやTURTLE ISLANDという本チャン祭りがはじまり僕の2013年フジロックフェスティバルがスタートした。それはとても心地良くエネルギッシュなスタートでした!
photo by kenji nishida