Profile of |Acid Baby Jesus|
ギリシャ・アテネを拠点にヨーロッパで確固たる人気を確立しているサイケデリックガレージロックバンド、ACID BABY JESUS(アシッド・ベイビー・ジーザス)がシンガポールとオーストラリアを含むアジア・オセアニアツアーの最終地点日本に降り立った。初来日となった今回のツアーは彼らのレーベルSLOVENLY RECORDINGSのオーナー、Peteも同行する形で11月19日の横須賀FUCK YEAHを皮切りに大阪 難波mele、広島 尾道 B×B、東京 落合SOUP、そしてこの日の幡ヶ谷HEAVY SICKという5日間5公演。タイトなスケジュールの中、その疲労を感じさせないトリップ感覚に満ちた衝動を存分に魅せつけてくれた。
この日迎え打った日本勢はCAR CRASH、d/i/s/c/o/s、RAYDIOSといったバンドに加え、DJはDale、さらにSLOVENLY RECORDINGSのPete、ACID BABY JESUSのNodaもDJとしてフロアを沸かせた。
多くの者が音に酒にほろ酔い状態の21時15分、ACID BABY JESUS登場。埋め尽くされたフロアからは期待に溢れた眼差しがステージに向けられていた。今年10月に対訳付の日本盤もリリースされたアルバム『Selected Recordings』からの楽曲も随所に織り交ぜつつの50分に及ぶステージは直感と本能を刺激するような、いくようにも解釈できるまどろみ、ゆったりとダークなグルーヴを感じさせたかたと思えば、ヘビーに構築された楽曲ではわずかな野性味を漂わせつつも形式美を失わない完成度を示し、サイケデリック、ガレージ、ロックという三要素が折り重なる中にノスタルジックな匂いも垣間見せていた。
曲に応じてボーカルパートも入れ替わるスタイルの中で感情の振幅も鮮やかに表現。スマートさと土臭さが融合した独特な風合いに、そのざらざらした感じも次第に癖になる。それは荒々しく見えて実はバランス感覚に優れた故のサウンドの安定感とサイケ的要素がもたらすドープさに神経が刺激されていたのだろう。変な意味での偏見とかそういったものではなく、元々あまり馴染みのない「ギリシャのバンド」っていうその予備知識が謎めいた雰囲気と神々しさみたいなものをより一層際立たせていたのに加え、そのサウンド、佇まいに時間の経過と共に会場全体のフィーリングはよりアジャストされ高まる熱量と共に皆がその味わい深さを感じていたように思う。
ACID BABY JESUS、ヨーロッパでの知名度とは裏腹に日本ではなかなかメインストリームに躍り出る事がないシーンに身を置いている訳だが、世界中に良質なバンドは確実にいてそこからあらゆる事が発信されている。今回はその片鱗を観る事が出来た。様々なものがブレンドされて錯綜する情報戦争という時代の中であっても、こういった出会いがあるのならそこに参戦するのも悪くはないと思わせてくれるほどの充実したライブを堪能することができた。
昨今のニュースでは財政破綻の危機といった部分だけが大きく取り上げられるギリシャではあるけれど、そこで育まれたこのバンドのサウンドには郷土愛こそあれど悲壮感はない。ただリリック面ではそこで育まれたこその特異的な部分もなんとなく感じる事ができる。結局のところ現実に向き合って趣くままに自由に表現するそういった世界観こそがバンドの存在価値をより強固にしているとも思うので興味がある方は是非音源を手に取って見て欲しい。
ACID BABY JESUS Japan Tour2015
横須賀FUCK YEAH
11月19日木曜日
OPEN 18:00 START 18:00
チケット前売り¥2000/当日¥2500(ドリンク代別)
-出演-
ACID BABY JESUS
MULE TEAM
The fadeaways
ムスキ・アルバボ・リー
-DJ-
Pete Slovenly
Dale
Noda(ACID BABY JESUS)
大阪 難波mele
11月20日金曜日
OPEN 18:00 START 18:00
チケット前売り¥2500/当日¥3000(ドリンク代別)
-出演-
ACID BABY JESUS
d/i/s/c/o/s
AYM,Jimmy&His Mojomen
The Posters
Andmore…
-DJ-
Pete Slovenly
Dale
Noda(ACID BABY JESUS)
FUMI BANG THE NOISE
広島 尾道 B×B
11月21日土曜日
OPEN 17:00 START 17:30
チケット前売り¥2000/当日¥2500(ドリンク代別)
-出演-
ACID BABY JESUS
d/i/s/c/o/s
The Noup
anticlockwise
the Librators
Faucet.
東京 落合 SOUP
11月22日日曜日
OPEN 18:00 START 18:00
チケット前売り¥2500/当日¥3000(ドリンク代別)
-出演-
ACID BABY JESUS
Rhyming Slang
BOMBORI
SHOKO
Ante-Whales
Andmore…..
-DJ-
BANG THE NOISE
東京 幡ヶ谷 HEAVY SICK
11月23日月曜日(祝)
OPEN 18:00 START 18:30
チケット前売り¥2500/当日¥3000(ドリンク代別)
-出演-
ACID BABY JESUS
d/i/s/c/o/s
RAYDIOS
CAR CRASH
-DJ-
Pete Slovenly
Dale
Noda(ACID BABY JESUS)
リリース情報
ギリシャ発、本格サイケデリックガレージロックバンドの最高峰、ACID BABY JESUS
昨年11月に発売された「Selected Recordings」の日本盤がボーナストラック、対訳付きO-CRAD仕様で2015年10月21日リリース! 11月には初のジャパンツアーも決定!
真のサイケデリックがギリシャアテネに舞い降りた。
彼らが2年間かけてレコーディングしたこのアルバムはオルガン、パーカッション、シンセサイザー、サックスやリコーダーなど様々な楽器を用い、自らのルーツになる民族音楽、ベルベットアンダーグラウンドやニールヤング、などのロックやパンクバンドに影響されながら、彼らにしか見つけ出せない音を深く掘り下げ、プリミティブでありながらも、どこか新鮮さを感じさせる、単にサイケデリックロックバンドの枠に収めてしまうわけにはいかない、バンドの新しい可能性を感じる作品となった。
国の経済が崩壊する環境の中でも彼らの音楽は美しくとても豊かだ。それがどうしてなのか?日本でこのアルバムを聴きながらゆっくり思いなやんでいたい。
ACID BABY JESUS
『Selected Recordings』(日本盤)
2015.10.21 Release
01. Diogenes
02. Row By Row
03. Night of Pan
04. Ayahuasca Blues (Unmanned Drone)
05. Who’s First
06. Vegetable
07. Trouble Maker
08. I’m Becoming a Man
09. Omonia
10. You & Me
11. All of Your Love
–ボーナストラック–
12. Hermit
13. Amalia
14. When I Go
日本盤限定ボーナストラック3曲
歌詞対訳付
o-card仕様
¥ 2,376
SLOVENLY RECORDINGS