Profile of |Donavon Frankenreiter|
プロサーファーとしてミュージシャンとして世界中をトリップし、その風貌、佇まいからライフスタイルに及ぶまで常に羨望な眼差しを浴び続ける男ドノヴァン・フランケンレイター。フィーチャリングでジャック・ジョンソンが参加し、センセーショナルなデビューを飾ったファーストシングル『Free』から10年以上の歳月が経ち、そのサーフ系オーガニックサウンドは元来持ち合わせていた柔らかさに熟練さと哀愁も加わりつつ、相も変わらずナチュラルにピースフルなオーラを醸し出している。
今年9月に6枚目のオリジナルアルバム『The Heart』をリリース。遂に実現した待望の単独来日公演は相方にマット・グランディを従えてのアコースティック仕様。シンプルで飄々とした雰囲気の中に普遍性とも言える耳馴染みの良いメロディとその自由な構成に濃密な時間はあっという間に過ぎていった。
この日のライブは『Heading Home』でスタート。この1曲目が終わると同時にオーディエンスに感謝を伝え、当然のように響き渡る歓声を受けての『Move By Yourself』ファンキーなテイストを匂わせつつもサビの部分ではみんなが口ずさむほどの楽曲浸透度。この曲が終わるころにはフロアの熱気、この日の空気みたいなものは完全に出来上がっていて、アットホームかつ彼の神髄とも言える楽曲の良さがより身体に沁みる雰囲気が会場中を包み込んでいた。
そしてここからしばらくはフロアのオーディエンスからのリクエストに応えていく流れとなる。まずはニューアルバムに収録されている『Big Wave』、さらに『Swing on Down』と続く。ここではマット・グランディのハーモニカの演奏も興奮度合をさらに高める要因となっていた。リクエストは続き『On My Mind』繊細な部分も感じ取れるしっとりとたハーモニー。手拍子に迎えられ『Call Me Papa』♪baby too~♪の部分の大合唱は鳥肌もの。その流れで続く『Your Heart』ではフォークロック的なせつなさや穏やかさも見せてくれた。
過剰な演出、ライブハウス特有の重苦しさなどは微塵もない中で確かな盛り上がりと求心力を存分に感じさせるステージ。ライブは中盤に入り伝家の宝刀『Free』ではまったりとした空気と歓喜が入り混じった独特の浮遊感のようなものが時間軸を支配していた。
ニューアルバムリリース直後とはいえ決してそれに縛られることもなくその後も軽快に『That’s Too Bad』『Start Livin’』といったライブでもお馴染みの楽曲が続く。さらに『What’cha Know About』これはドノヴァンに限ったことじゃないんだろうけど、なんだかんだやっぱり1stアルバムの楽曲は格別の盛り上がりをみせますね。
そのままの盛り上がりを維持しつつ『Life, Love & Laughter』、終盤には『Glow』『The Way It Is』といったここでもまたドノヴァン初期から中期を語る上で外せない楽曲で本編を締めくくり、当然のように沸き起こるアンコールでは『It Don’t Matter』の大合唱、ラストにはステージに観客の男性1名を上げて演奏、その彼の歌声が明瞭で素敵だったのを受けてより一層盛り上がるフロアとドノヴァン自身も驚きと嬉しさを隠せずにいたその表情が印象的だった。
80分ほどの時間の中で全15曲。ライブ終了後は物販エリアで購入者に対し写真撮影とサインをする姿もみる事ができた。シンプルに美しく奏でられた音色、その声、息づかいまでもが伝わる中でそれは癒しと興奮が融合した傑出した時間であった。
Donavon Frankenreiter JAPAN TOUR2015
東京 10/21(水)下北沢 Garden
オープニングアクト : モッサン
前売¥5,000(ドリンク代別途)
OPEN18:30/START19:30
名古屋 10/22(木)JAMMIN’
フロントアクト : kentarow
オープニングアクト : The Hey Song
前売¥5,000(ドリンク代別途)
神戸 10/23(金) 上屋劇場
後援:Kiss FM KOBE
オープニングアクト : THAMII(from Osaka)
前売¥5,000(ドリンク代別途)
OPEN18:30/START19:30
和歌山 10/25(日)片男波公園 野外ステージ
オープニングアクト : THAMII(from Osaka), SARA(from Shikoku)
前売¥4,500(ドリンク代別途)
リリース情報
哀愁ただよう秋の海
ハートを込めて制作されたドノヴァン渾身の新作6th NEW STUDIO ALBUM
ドノヴァン・フランケンレイター/『ザ・ハート』リリース!
デビューから10年以上の月日がたった。この10年、彼はただミュージシャンとしてのみ成長したわけではなく、家族を育み、ステージと波の上で経験を積み重ねながら、人間として大きく成長した。
いったいなにが彼のモチベーションなのであろうか。それは彼の「心」自体なのだ。だからこそ今回の新作には、『ザ・ハート』と言うタイトルを付けたのだ。
「ここに収録されているすべての曲に、僕はできるかぎりの心を込めて作り歌ったつもりだ」、そう語るドノヴァン。「曲と曲が絡み合うその様は僕のハートそのもの。すべての曲トータルでひとつの作品だと思って聴いてほしいな」。
2ndアルバム『パス・イット・アラウンド』以来、曲作りで久々にタッグを組んだのは、ソングライターのグラント・リー・フィリップス。すべての曲がセンチメンタルで温かく、とてもドノヴァンらしい素直な楽曲ばかり。
本人はこれまでの最高傑作だと仕上がりにとても満足している。ドノヴァンの心の中が垣間見れ、家族への愛、海に対する尊敬の念、どこをとってもドノヴァン・ワールド炸裂のとても癒されるアルバムです。
Donavon Frankenreiter
『The Heart』
2015.09.23 Release
01. When The River Bends
02. Woman
03. Big Wave
04. Like The Sun
05. Losing Streak
06. Sleeping Good Tonight
07. Down
08. The Way You Catch The Light
09. Little Shack
10. You and Me
11. California Lights
12. Little Shack (Japan Bonus)
SRM-11 ¥2,400(tax out)
歌詞・解説付き
日本盤ボーナストラック収録